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熊本の郷土料理

変化に富んだ自然が生んだ山海の幸

九州のほぼ中央に位置する熊本県。2008年に築城400年を迎え、本丸御殿の復元で多くの観光客が訪れた熊本城をはじめとする歴史・文化遺産が数多く残ります。また、世界最大規模のカルデラを誇る雄大な阿蘇や、豊富な海の幸に恵まれ“宝の海”と称される天草など、変化に富んだ自然があります。

そのため、全国でも有数の農業県で、あか牛や天草大王などのブランド肉、車エビやのりなどの海産物、スイカや晩白柚などの農産物は、いずれも全国で1~2位を争う生産量を誇り、高い評価を受けています。

また、それらを使った加工品や熊本独特の食文化の中で育まれた辛子蓮根、馬刺しなど数多くの特産品があります。
豊かな自然から生まれる熊本の物産品



熊本の代表的な郷土料理です。おろし生姜やにんにく、刻んだネギなどの薬味を入れて醤油で食べるのが一般的。

馬の油は低温で溶け出すため、霜降りの部分も刺身でさっぱりと食べることができます。馬刺しを乗せた寿司も人気です。
馬刺し


天草大王

昭和初期に一度絶滅した幻の鶏を、研究を重ねて半世紀振りに蘇らせたのが天草大王です。

国内最大級と言われる大きさで、その肉は通常の鶏よりも「もも」の割合が多く、赤身の美味しさ、弾力ある歯ごたえ、コクのある味わいが魅力です。近年、流通量も増え、新たな熊本の名物となりつつあります。



濃厚な豚骨スープにコシの強い太麺、そしてにんにくチップやマー油など、にんにくを入れるのが特徴です。

久留米ラーメンをルーツとし、独自の進化を遂げた熊本ラーメンは広く県民に愛されています。

また、全国各地にも熊本ラーメンの店が数多く出店しており、札幌、博多などと並ぶ“ラーメン処”となっています。
熊本ラーメン


太平燕

鶏がらスープに白菜や人参、豚肉、イカ、エビ、かまぼこなどを入れて作る具だくさんの春雨スープです。

一説には、福建省のお祝い料理が華僑によって熊本に伝えられ、現在の形になったと言われています。コクがありながらあっさりした太平燕は、ヘルシーな料理として全国的にも知名度が上がっています。



小麦粉を練って作った生地を平たい団子状にして、大根や人参など季節の野菜と共に煮立てて味噌やしょうゆで味を調えます。

昔ながらの素朴な味わいは、熊本の冬には欠かせません。また、各地方や家庭で独自の具や味付けが施され、さまざまなバリエーションがあるのも魅力の一つです。
だご汁


辛子蓮根

茹でたレンコンに、味噌と粉辛子と蜂蜜を混ぜた辛子味噌を隙間なく詰め込み、衣を付けて油で揚げた、熊本の代表的な郷土料理です。病弱だった細川忠利に禅僧・玄沢和尚が栄養価が高い蓮根を食べるようにと、献上したのが始まりといわれています。

さらに輪切りにした切り口が細川家の家紋「九曜紋」に似ていることから、門外不出の味となりました。鼻にツンとくる辛子の香りと、レンコンの食感が何とも言えない美味しさです。



ひともじとはワケギのことです。熊本では古くからひともじと呼ばれています。食感が残るようにサッと茹でた人文字の白根に、青葉をぐるぐる巻き付けて薄口しょうゆで下味をつけ、酢味噌もしくは辛子味噌をかけて食べます。

6代目藩主細川重賢の時代に、藩の財政建て直しを図って倹約令が出され、安くて美味しい酒の肴はないかと考え出されたといわれています。
手軽な郷土料理として長く愛されている一品です。
ひともじのぐるぐる


高森田楽

熊本でも、特に阿蘇高森の郷土料理として親しまれています。里芋、豆腐、こんにゃく、ヤマメ、などを串に刺し、田楽味噌を塗って、炭火で炙っていただきます。

囲炉裏で焼ける味噌の香ばしい香りが食欲をそそります。



細かく切って炒めた高菜をご飯に混ぜ、ゴマ、塩、醤油などで味付けしたものです。
高菜チャーハンやピラフとは異なる独特の作り方で、年配の方などには根強い人気を誇ります。

阿蘇高菜を使うので、阿蘇地方でよく見られます。
高菜めし


いきなり団子

輪切りにした生のさつま芋と程よい甘さのアンコを、小麦粉で作った少し塩味の効いた生地に包んで蒸し上げます。

「簡単に作れる団子」という語源を持つ郷土菓子で、素朴な味が親しまれ、近年、全国でも知られるようになりました。



餅米、水飴、砂糖を練り合わせ片栗粉を塗したもので、上品で素朴な甘みと餅に似た柔らかな口当たりです。

日持ちのする保存食として、400年以上前から肥後藩の名物として親しまれてきました。江戸時代には幕府への献上品としても用いられていた「大名菓子」で、その製法は一家相伝の秘法です。
朝鮮飴


加勢以多

江戸時代には幕府に献上されていたという大名菓子で、甘酸っぱいマルメロ(西洋かりん)で作ったジャムを、もち粉でできた薄い板で挟んだものです。

細川幽斎の子、三斎公は利休七哲の1人で、熊本に今に受け継がれる茶道、肥後古流の源流となりました。その三斎公が茶菓子として好んだのが加勢以多です。表面に押された九耀紋の焼印は、細川家ゆかりの品であることを表しています。


古くから熊本に伝わる地酒で、正月のお屠蘇や儀式には欠かせません。伝統の製法で生み出された赤酒は、独特の赤色と甘みの強い上品な味と香り、とろりとした喉ごしが特徴。

また、料理にコクと旨みを与える高級調味酒としても重宝されています。
赤酒

くまもとの物産品についてはこちら。熊本県物産振興協会096-353-1168


熊本の伝統工芸


熊本県内に息づく多様な文化が育んだ物産の数々

熊本市を中心に、荒尾・玉名などの県北や阿蘇地域、人吉・球磨などの県南や天草地域からなる熊本県。

それぞれが特徴ある豊かな自然に恵まれ、地域ごとに独自の歴史と文化が育まれてきました。それが、現在の熊本の多種多彩な物産や伝統工芸品の数々につながっています。


肥後象がん

鉄地に布目上に刻みを付け、金銀などの装飾をはめ込む技法で作られます。

熊本の伝統工芸の代表とも言えるもので、古くから伝わるモチーフを生かしつつ、現代的な感覚のアクセサリーやインテリアなどの分野にも、その技術が受け継がれています。


黒い烏帽子にユーモラスな真っ赤な顔。仕込まれた紐を引くと、どんぐり眼がひっくり返り、舌を出して「あかんべ」をします。

インパクトの強い、頭だけのからくり人形の郷土玩具です。
おばけの金太


肥後こま

赤・黄・緑・黒に色付けされた部分と無色の白木部分は五臓を表すと言われ、健康祈願の意味が込められています。

子どもの玩具としてはもちろん、贈答にも用いられる伝統工芸品です。



800年以上前、平家一族が球磨地方に逃れて住み着き、栄華を極めた時代を懐かしんで作り始めたという由来があります。

素朴ながら、鮮やかな色付けがなされ、遊び道具よりも飾り物として今に受け継がれています。
きじ馬・花手箱・羽子板


山鹿灯籠

工芸品というより美術品と言えるほど繊細で美しい山鹿灯籠は、職人の手で和紙と糊だけで一つ一つ手作りされます。

熊本を代表する祭りとして有名な「山鹿灯籠祭」では、1000人近い女性が金灯籠を頭に乗せて優雅に舞い踊ります。



「見ざる・聞かざる・言わざる」の猿のポーズをモチーフに、手びねりで作られる素朴な陶人形です。厄除けや子孫繁栄などの意味があり、お守りとして用いられています。
木葉猿

来民うちわ

真竹で骨組みを作り、貼った和紙に柿渋を塗って仕上げられます。

使い込むごとに増していく柿渋独特の優美な風合いと防虫効果で、丈夫で長持ちすると重宝されています。



熊本県北部の小代山麓で、約400年前から焼き続けられている熊本を代表する陶器です。

素朴で自由、かつダイナミックな風合いで、日常使いの器として愛されています。
小代焼


天草陶磁器

日本一と言われる豊富な天草陶石と陶土を使って焼かれます。

シンプルで飽きのこない味わいの品々は、日常使いできる陶磁器として、長く親しまれてきました。



青緑色の青磁釉を使用し、その表面に象がんが施されているのが最大の特徴です。

端正で透明感のある風合いにファンも多く、贈答用や観賞用として人気があります。
高田焼


くまもとの工芸品についてはこちら。熊本県伝統工芸館096-324-4930


※小代焼、肥後象がん、肥後こま、おばけの金太、きじ馬、花手箱、羽子板は熊本県伝統工芸館収蔵品です。
※画像の無断使用を禁じます。

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